いちばん星の独占権



ちなみに、潰れては、ない。

なるちかくんが潰さないように気をつかってくれているから。


────こんなときでも、どこまでも、優しい。




「……っ」




ただ、やっぱりこの距離は我慢できない……!



心臓が壊れそうなくらいドキドキいってる、こんなの、なるちかくんに聞こえてしまう。

汗かいてるのだって、ばれちゃうし、もしかしたら汗臭いかもしれない、わたし……!



なるちかくんからは、なんか、めちゃくちゃにいい匂いが漂ってくるし……。




なにより真正面から向き合っているのに耐えきれなくなって、もぞもぞ動くと、ギシ、とベッドのスプリングが音を立てた。




「ほのかちゃん、じっとしてて」

「は、う……」




ごめんなさい、と心のなかで謝った、とき。




「ここにいるのか」




シャッと勢いよくカーテンが開く音。

体がぴしり、と石のように固まった。





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