いちばん星の独占権
もぞもぞと動こうとする、と。
「待って」
「え」
「もうちょっとだけ……。まだ先生そこにいるから、念のため」
腰のあたりをぐっと固定されて、距離が縮まる。
さっきまででも十分だったのに、もう、息もできないくらい。
目の前になるちかくんの喉仏、それから鎖骨。
左鎖骨の少し上のところに小さいほくろを見つけてしまう。
う、わ……。
なんだか見てはいけないものを見てしまったような恥ずかしさに襲われて、息をのんだ。
いつまでこうしていればいいんだろう。
そろそろいろいろと限界で、きゅっと目をつむる。
そしたら。
「ごめん、ムリさせて」
「……?」
「眠たかったら、寝てていいよ」
目をつむったのを、眠いから、だと思ったのかもしれない。
それはまったくのかんちがい。
こんな状況で、眠れるわけ、ないもん。
もし眠たかったとしても睡魔なんか吹っ飛んじゃう。