いちばん星の独占権



あいまいに頷くことしかできない。

震えてしまわないか、心配で、うまく声も出せない。



なるちかくんのその言葉で、りっちゃん先生への強い気持ちで、『傷ついた』────なんてぜったいに言えないこと。





「長期戦も覚悟してるから、今すぐにってわけじゃないけど」


「……あの、なんで、そんなことわたしに言うの?」




わたしが首をかしげると、なるちかくんはいつもみたく「ははっ」と笑い声を上げた。




「ほのかちゃんに、知っててほしいから」

「わたし、に?」

「うん、いちばんね」




センセンフコクてきなね────となにやらなるちかくんはよくわからないことをもごもご呟いていた。




複雑だ、ズキリズキリとたしかに心は痛いのに。

いちばん、と言われると……。




恋心というやつは、なかなか厄介で、頭のなかが簡単にめちゃくちゃになってしまう。

こんな気持ち、今まで知らなかった。




────って思うの、今で、もう何回目?

はじめてづくし、いいこともわるいことも、半分ずつくらい。





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