いちばん星の独占権



「耳、真っ赤」

「……っ!」



なるちかくんの指が、からかうみたく、耳のそばをかすめた。

くすぐったくって、きゅっと首を縮こめる。



それを見て、なるちかくんが、ふ、とまた笑った。

────そういうことを自然にしてみせるから、帰国子女疑惑が浮上してくるんだってば。





「前も言わなかったっけ」

「なに、を?」


「保健室に来るのは、ほのかちゃんがいるからだって」

「ええ……」




そんなこと言われたって、信じないし、ドキリともしない。


だって。




「あれは冗談だよね、わかってますよう」



ちゃんと、覚えてる。



『ほのかちゃんがいるから、かもね』



でも、そのあとすぐに、なるちかくんのりっちゃん先生への恋心を知ることになったんだから。





「冗談、って思う?」

「だって、ほんとうのことだもん」


「はは」



す、となるちかくんは目を細めた。



「さあ、どーだろうね?」





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