いちばん星の独占権



慌ててしゃがみこんで、プリントを拾い集める。

その間ももやもやは増えていくばかり。



わたしが知らなかっただけで、なるちかくんとれーちゃんって、仲良かったの? とか。

楽しそうに、何の話をしてるんだろう、とか。

れーちゃん、かわいいから、なるちかくんが好きになってもおかしくないよね、とか。


もしも、カップルだとしたら、美男美女で、お似合いで。

でも……それは、いやだ、とか。




そこまで考えて、さあっと顔が青ざめていく。

さいあくだ、わたし。



あれこれ勝手に妄想して、勝手にもやもやして、挙句の果てに大切でだいすきな幼なじみにまで、やきもち、やくなんて。



ほんと、最低────




「ほのか」

「っ、へ、りんくんっ?」




うしろから、とつぜん声がして、振り向けば。
いつのまにかりんくんが立っていた。


珍しい、今日はサボらず学校にいるんだ……。




「プリント、これほのかだろ」

「わ、ありがとう……」




さっき落とした分を、まだ拾いきれてなかったみたいだ。



情けない……と落ちこみつつ、りんくんが拾い集めてくれたプリントをしかと受けとる。



気持ちを切り替えるべく、とんとんと端をそろえていると。




りんくんがわたしの視線の先を追って、ひと呼吸置いたのち、口を開いた。





「ほのかさ、三上のこと好きだろ」






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