いちばん星の独占権

りんくんの眉が、苛立ちからなのか、悲しいからなのか、わずかに釣り上がる。


りんくんがそういう顔するの、珍しい。



やいのやいの言いつつも、それは口だけで、りんくんがわたしやれーちゃんに本気で怒ったりすることって、じつはない。




だから、りんくんがそんな表情を浮かべているといてもたってもいられなくって、なにもわからないまま「ごめんなさい」と謝りそうになって────それを遮ったのは、りんくんで。




「ほのかは、アイツ────三上に、告らねえの」




何ごともなかったように、いつも通りの。

ちょっとふてくされた顔で、りんくんは尋ねた。



動揺するのはわたしの方だ。




「こく……っ、告白、とかは、その、ぜんぜんっ」


「考えてねーんだ」

「……うん、だって」




そこで口ごもる。
と、続きを顎で、ん、とうながされるから。




「だって、わたしにそんな権利ないの……っ」