いちばん星の独占権





「ふは、またひとりで頑張ってんの?」


「あ、わ、なるちかくん……!」

「頼ればいいのにって何回も言ってんのに」


「これは保健委員の仕事じゃないもん」




そう、たまたま担任の先生に目をつけられて。

クラスのみんなの提出物を集計して、運ぶことになった。



わたし、雑用を押しつけやすそうな顔でもしているのかもしれない。自分ではわからないけれど。



集計はぶじに終わって、今はせっせと運ぼうとしていたところ。

でも、まさか、なるちかくんと遭遇するとは思わなかった。




「手伝うよ」

「あの、でも、なるちかくんは大丈夫なの?」


「なにが?」

「用事とか、時間とか」



なんだか、誰かを探しているみたいだった。

それなら引き止めるのは申し訳ないし……。




「はは、全然大丈夫。むしろ暇なんだわ」

「ほんとに? でも今、誰かのこと探してた、よね?」




図星だったのか、なるちかくんはちょっと目を見開いた。

それから。



「よくわかったな」



だって、なるちかくんのことだもん。

見ていれば、わかる。





「俺が探してたのは、ほのかちゃん」







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