いちばん星の独占権
◇
「ふは、またひとりで頑張ってんの?」
「あ、わ、なるちかくん……!」
「頼ればいいのにって何回も言ってんのに」
「これは保健委員の仕事じゃないもん」
そう、たまたま担任の先生に目をつけられて。
クラスのみんなの提出物を集計して、運ぶことになった。
わたし、雑用を押しつけやすそうな顔でもしているのかもしれない。自分ではわからないけれど。
集計はぶじに終わって、今はせっせと運ぼうとしていたところ。
でも、まさか、なるちかくんと遭遇するとは思わなかった。
「手伝うよ」
「あの、でも、なるちかくんは大丈夫なの?」
「なにが?」
「用事とか、時間とか」
なんだか、誰かを探しているみたいだった。
それなら引き止めるのは申し訳ないし……。
「はは、全然大丈夫。むしろ暇なんだわ」
「ほんとに? でも今、誰かのこと探してた、よね?」
図星だったのか、なるちかくんはちょっと目を見開いた。
それから。
「よくわかったな」
だって、なるちかくんのことだもん。
見ていれば、わかる。
「俺が探してたのは、ほのかちゃん」