いちばん星の独占権
「三つ編み……、変?」
「え、なんで」
「だって、ずっと見てるから」
そんなにまじまじ見ないでほしい。
「や、かわいーな、って思って見てた」
「……っ、もう、なるちかくん、ほんとやだ!」
「は、なんでだよ。いいじゃん、三つ編み、似合ってる」
お砂糖吐きのなるちかくんである。
そんな砂糖菓子のような顔して、笑わないでほしい。
「……ほどけたら、困るので、離してほしいっ」
うそ、ほんとは心臓が壊れちゃうので。
「そう言われるとほどきたくなんね」
「うう意地悪」
「うそ冗談」
結局、なるちかくんは手を離してくれない。
左側の三つ編みの束がなるちかくんに掴まれていて、まるでリードみたい、お散歩中のペットのごとく、離れられなくなってしまった。
「三つ編みって難しそー」
「ええ、そんなことないよ」
もっと凝った髪型の女の子、いっぱいいる。
わたしは手先が器用じゃないから、ああいうのは……できない。
情けない女子力不足。