いちばん星の独占権
「どうやんの?」
「んん……ぅ、髪の毛をみっつにわけて、順番こにねじねじくねくね〜って」
「ねじねじくねくね」
リピートされると恥ずかしい。
というか、こういうのって口だけじゃうまく説明できない。
実践じゃないと。
「今度、なるちかくんの髪で三つ編みするね」
「え、俺?」
「ふふ、うん」
「まあ、ほのかちゃんなら、いいよ」
「えっ」
「ほのかちゃんなら何しても」
いいのか。
半分くらい冗談だったんだけど……とむずかゆくなる。
なるちかくんの金色の髪は今日も光をうけてキラキラ輝いていた。わたしの、いちばん星。
そんなこんなで、クラスのみんなの提出物を届け終えて。
「ほのかちゃん、このあとは?」
「保健室なの、今日もいちおう当番で……」
「ん、じゃー俺も行く」
もう丁重にお断りする隙すらない。
あたりまえのように着いてくるなるちかくんを甘んじて受け入れた。