いちばん星の独占権
「ほのかちゃん、テストどうだった?」
「うげ……」
「うげ、って」
とつぜんふられた話題。
期末テスト、今日がじつは最終日だった。
「せっかく忘れてたのに、掘り返すのはどうかと思うよっ」
「はは、ごめん」
その顔は、たいしてごめんって思っていない顔。
あーあ、忘れていたのに。
なるちかくんと話していたらテストのことなんて、すっかり。
「補習には、ならないと、思う、んだけど」
たぶん、赤点は回避できたはず。
「なんだ、ぜんぜんいいじゃん」
「それなるちかくんが言うと、ただの嫌味だからね……っ」
今回も、1位はきっとなるちかくんだ。
貼り出される順位の紙の一番上で、いつも誇らしげに並んでいる “三上成哉 ” 。
ひときわ輝くその四文字を、楽しみにしてしまっているわたしに気づく。