いちばん星の独占権
「……っ?」
保健室、相も変わらず真っ白な空間。
目に入ってきたのは────。
「りっちゃん先生……っ?」
そっか、今日は水曜日。
そう納得するよりも先に、息をのむ。
「どう、されたんですか……?」
扉のひらく音に反応して、ぱ、と顔を上げたりっちゃん先生。
よく見なくたって、なによりもまず目についたのは、泣き腫らして充血した瞳と、頬にのこった涙のつたった跡。
ぱたぱた、と涙の滴が目のふちから落下していくのが見えた。
思わず目を見開くと、りっちゃん先生はあわてたように手の甲でごしごしと目元を拭った。
「なっ、なんでもないのっ」
「なんでもないって顔じゃないです……!」
ごまかすみたく、ふい、と顔を背けてしまったりっちゃん先生。
いつもにこにこしていて、朗らかなりっちゃん先生が、こんな姿を見せるのは珍しい。
慌てて、あったかい濡れタオルを準備する。
きゅ、としぼってりっちゃん先生に手渡した。
「あの、よかったらこれ……」
「ほのかちゃん〜〜〜、ありがどお〜〜〜」