いちばん星の独占権


保健室に取り残された、なるちかくんと私。



「大丈夫かな、りっちゃん先生」




ぽつり、呟いて。

保健室の空気がぐっと薄くなったみたいに息苦しくて、はっとした。




「大丈夫だろ、たぶん。りっちゃんはああ見えて、けっこう強かだから」




何でもないように、なるちかくんはそう言うけれど。

そう言う、けれど。


わたしは……。




「……なるちかくん、いいの?」

「なにが?」

「っ、りっちゃん先生のこと、追いかけなくて、いいのっ?」

「は、え、なんで?」




なんで、じゃないよ。


苦しくって仕方ないのに、それは見ないふりをして、目を伏せた。


わたしが、今、なるちかくんに言いたいのは。






「今しかないと思う、りっちゃん先生に気持ちを伝えるなら」






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