いちばん星の独占権


だったら、今、りっちゃん先生のところに行かなくてどうするの。



なるちかくんはりっちゃん先生のことを思って、弱っているところにつけこむのはよくないって、そう思って引いているのかもしれないけれど。




『もっとほのか本位に考えれば? アイツの事情なんて無視して、ぶつけて振り回して何としてでも手に入れればいい、欲しいなら』




りんくんがわたしに言ったこと。

これは、わたしのために……だったんだろう、けど。




「ちゃんと言ったほうがいいよっ、りっちゃん先生に! 好きなら好きだって、ぶつけてきたほうがいいっ、だって」




“ だって、なるちかくんは、りっちゃん先生が好きで、手に入れたくて、仕方ないんでしょ? ”


続けるはずだったその台詞は、声になってくれなかった。





「俺は────」


「なるちかくんはごまかしてばかりなのっ、ずっと、うそばっかり、りっちゃん先生のことばっかりなのに……っ! 好きって、言わなかったら、後悔する、ぜったい」




もう、なるちかくんには。

あんな泣きそうな顔をしてほしくない。



泣きそうな、じゃない、あのときなるちかくんの心はぼろぼろと涙をこぼしていたはずだ。



もう、あんなのは────と思った端から。





え……?

どうして。





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