いちばん星の独占権


犬も食わぬふたりの言い合いに、少し気分が落ち着いた。


ふっ、と笑みをこぼせば、ふたり同時にわたしを振り向く。

息ぴったりだ。




「そーだ!」

「なんだよ玲奈、急にデカい声出すな」


「今から甘いものたらふく食べにいかない!? レインボーモールでドーナツの食べ放題やってんの、知ってたっ!?」




ドーナツ、食べ放題……。

急すぎる提案に、きょとんとしていると。




「たいていの悩みごとは糖分が解決してくれるものなんだからっ!」


「わっ!」

「……ウゼエ」





120点満点のスマイルを浮かべたれーちゃんが、わたしとりんくんの肩に勢いよく腕を回した。





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