いちばん星の独占権





「ちょっと! それ玲奈のイチゴドーナツなんですけど! 麟太郎はさっきイチゴ食べてたじゃん!」


「あ? うるせえ、食べ放題なんだから取りに行きゃーいいだろ」


「わざわざ取りに行かなくてもいいように、まとめて置いてたんじゃん、てか、麟太郎さっきからイチゴばっかでチョコ食べてないし!」


「つか、俺もー甘いのムリ。ポテチ食いてー、甘いのばっか食えっかよ、お前バカ舌だな」


「暴言しか吐けないなら帰ってくれる? ていうかね、私よりほのかのほうがずーっと甘党なんだからねっ、ほら見て、ほのかずっともごもごしてるじゃんか」




もう何個目かわからないハニードーナツを咀嚼しているうちにれーちゃんとりんくんの口論が激化していた。


あれから数十分後、場所はレインボーモール内のドーナツショップにて。



それにしてもどこにいても、りんくんはりんくんだし、れーちゃんもれーちゃんだ。




「んふふ」



思わず笑い声を上げると。




「あ、今ほのか笑ったね?」



にやり、とれーちゃんのしたり顔。





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