いちばん星の独占権
そのひとことで、れーちゃんがやいのやいの言いながらも、ずっとわたしのことを心配してくれていたのだと知る。
「ありがとう」
「んー? なんのこと? 玲奈はほのかとドーナツ食べたかっただけなんだからね。麟太郎まで付いてきたのはちょっと心外だけどー」
「お前が誘ったんだろーが」
「誘わなくても付いてきてたくせによく言うよ」
すぐさまチッと治安悪めの舌打ちの音が聞こえる。
れーちゃんは聞こえないふりをして、「でもさあ」と頬杖をついた。
ドーナツをかじりながら、頬杖をつくだけで絵になるんだから、ほんものの美人っていうのはすごい。
「掘り返すようで悪いけど、私的には100パー脈ナシだとはどうしても思えないんだよね、今までの三上くんからして」
「……あんまり、期待したく、ないの、もう」
「そっかー、それもそうだよね」
うんうん、とれーちゃんが頷く。
と、りんくんはあからさまに眉を寄せた。
ものすごい仏頂面。
「アイツのどこがそんなにいいんだよ」