いちばん星の独占権
りんくんはそれを聞いて目を見開いた。
そして、そのあとすぐにぐしゃぐしゃと髪をかきむしる。
脈絡のないその行為に、今度はわたしが目を見開けば。
「違え。ちげーんだよ、あ゛────、ちがう、そうじゃなくて」
あんなに甘いものはもうこりごりだと言っていたのに、何を思ったのか、りんくんは勢いよくチョコリングにかじりついた。
甘、とぶっきらぼうに吐き捨てて、それからわたしの目をまっすぐに見つめ直した。
りんくんの飲んでいたアイスコーヒーの氷がちょうど溶けて、カラン、と音を立てたのが、合図。
「ほのか」
「……?」
「俺にすれば」
「へっ?」
「俺にしろよ」
どういうこと、なの。
思考がぴたりと停止して、まるで静止画のようになる。
れーちゃんが唖然としてりんくんを凝視しているのを、かろうじて視界の端でとらえた。
「だから、俺と付き合えばいいだろっつってんだよ」