いちばん星の独占権



「……待って、え? わたしと、りんくん、が?」

「そう言ってる」


「付き合う、て……こいびと……?」

「そう」




そう、じゃない。


冗談……じゃ、なくて?

事態を受けとめきれないわたしのもとに、ブレーキを失くしたりんくんの言葉が降り注いでくる。




「俺ならお前のこと、泣かせたりしねえ」

「……っ、待っ」


「これでもほのかのことはわかってるつもり、大切にするし、できる。ほのかが嫌だって言うなら喧嘩ももうしねえ、校則も守るし授業も出る。ほのかがしてほしいことなら、なんだって俺が────」




待って、と息をのむ。
理解が追いつかない。

だって、浴びせられる言葉のぜんぶが。




「それじゃあ、まるでりんくんがわたしのことを好きだって言ってるみたいに────」

「そう言ってんだよ」


「っ、え」

「前も言っただろ」




前……?

前って、いつ。



────まさか。




『俺は、お前のことがずっと好きだから』




あのときの。





< 283 / 315 >

この作品をシェア

pagetop