いちばん星の独占権
「……別に好きになれと言ってるわけじゃねえよ、ただ、近くにいてなぐさめてほしいときに利用するだけでも、俺は」
「わたしは、りんくんに、そんなことできない。……大切なんだよ、りんくんだって知ってるよね?」
「……だよな。ほのかならそう言うと思った」
はー、とりんくんが息を吐き出した。
「知ってた。ほのかと俺がどうにかなることなんてないって、ずっと知ってたけど、それでも俺はずっと、ほのかが好きだった。それだけわかってて」
「……うん」
「んで、俺はしぶといから、これからだって、ほのかのことが好きだ。それもわかってて」
「うん、わかった」
りんくんの大事な思いを知った。
それでも、明日からはまたきっと何ひとつ変わらない幼なじみ同士でいる。
これっきりのことで壊れてしまうようなわたしたちじゃないと、わたしも、りんくんも……きっと、れーちゃんも、十二分にわかっている。
「お前、ほんとーにわかってんの?」
「へ」
「────隙あらば襲うぞバァカ」
「ケ、ケダモノ!!」
「あ? うるせえ警告だろーが」
からかうように、りんくんの顔がふいに近づく。
ガウ、と獣をまねて、りんくんが口を開けた。
ほんとうに噛みつかれては困るので、防御の構えをとったところで、なぜか、れーちゃんが「あ」と声を上げる。
そのまま目をまあるく見開くから、何事かと思って背後を振り向こうとしたけれど、それよりも先に。
「────ほのかちゃん、見つけた」