いちばん星の独占権
結局抵抗することもできずに、なるちかくんの成すがままになっていたけれど、少しして、むくむくと湧き上がる疑問をおさえられなくなる。
「あのっ、なるちかくん、どこに……それに、なんでここにっ」
わたしを探しにきたの?
でも、わたしここにいるなんてひとことも言ってない。
そんなわたしの心を読んだのか。
「見つけるよ、ほのかちゃんがどこにいたって見つけられる自信ある」
『ほのかちゃんが、見つけやすくてよかった。びっくりするぐらい、すぐに見つかったんだよな』 ────前も、たしか、そんなこと。
ううん、そうじゃなくて、と首をふる。
「なるちかくん、りっちゃん先生、は?」
いちばん、気になっていたことをすぐ前を歩く背中にぶつける。
なるちかくんは、りっちゃん先生のところへ向かったはずだ。
すると、なるちかくんの足がぴたりと止まった。
「話したよ。りっちゃんのこと、好きだった、って言ってきた」
「……っ、そっ、か」
「案外すっきりするんだなと思った、りっちゃんを好きだったことは、りっちゃんは知らないままずっといるんだと思ってたからかな、言ってみるもんだな、って思った。向こうは、そうとう驚いてたけどな」