いちばん星の独占権




「なるちかくんっ! もしかして、待った?」

「ぜんぜん。まだ5分前だし」

「うう、なるちかくんが早すぎるんだ……」

「はは」




バス停で待ち合わせ。


夏休みに入ったからか、バス停とはいえなかなかの人だかりができていた。




「ほのかちゃんってさ、マジで、俺のこと一瞬で見つけるよな」

「だって、金色が目印なんだもん」


「ふは、いつも言うね、それ」




なるちかくんの金髪は、なんか、ふつうの金髪とはちがう。

内側からきらきら輝いている、星のような金色なの。



遠くからだって、ぜったいに、間違えたりしない。





「……あのさ、これ、気になんないの」


「え?」






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