いちばん星の独占権
「ほのかちゃん、どうかした?」
あまりにじっと見つめていたら、なるちかくんがこてっと首を横に傾げた。ジトッと疑わしそうな目をしている。
あわてて「なんでもないよ」と首を横にふった。
────なんでもなくはないのだけど。
お星さまみたいななるちかくんと、こんな風に話しているのが不思議だなってふいに思ったの。
金色は、いちばんの色だ。
なるちかくんには金色がよく似合う。
なるちかくんが金色なら、わたしは。
わたしは、いったい、何色……?
そんなことを、ぼんやりと頭の片隅で考えながら、《 熱中症の兆候 》 と利用カードに書き込む。
それから、記入者のところに 《 枢木ほのか 》 とわたし自身の名前を書き入れる。