いちばん星の独占権



そう思ったのはりんくんにもバレバレだったみたい。

りんくんは面倒くさそうに眉を顰めて。





「あいつ、うざ、マジで」





吐き捨てるように呟いた。




言葉づかいが荒いのは直したほうがいいと思うけれど、そう言いつつも、なんだかんだれーちゃんに甘いりんくんを知っている。



ふふ、と笑うと「なんだよ」と睨まれた。

なんでもないよ、と返しておく。





「ほのか、今日、一緒に帰る」

「え、りんくん部活は?」





りんくんはいかにも帰宅部!不良!という感じだけれど、じつは部活にはしっかり所属している。剣道部なの。



昔から習っていたこともあって、けっこう強いんだよ。

インターハイの有力候補だとか、なんだとか……。




「今日は久々にオフ」

「そうなんだ」




れーちゃんはチアリーディング部で、りんくんは剣道部。


ふたりともなかなかハードな部活に所属しているのに対して、私は準帰宅部だ。




準、と言ったのには理由がある。


いちおう、茶道部に所属しているの。廃部寸前だから入部だけでもって誘われて……。




でも、あまりにも人数が少ないから予算もなくて、ほとんど活動していない。たまーに、ごくたまに集まってはお喋りをするくらい。





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