いちばん星の独占権
「さあ?」
「さあ、って」
「ひみつー」
ぴんと立てた人差し指を唇にあてて、いたずらっぽく笑う。そんななるちかくんの仕草にむう、と頬をふくらませた。
はぐらかされたんだ……!
きっと、いくら聞いたって教えてくれないんだろうな。
「ほのかちゃんも座る?」
「……うん」
まるで自分の部屋みたいに、なるちかくんがソファをぽんぽんと軽くたたいて示す。
なるちかくんのちょうど隣。
この期に及んで「ここはなるちかくんの部屋じゃないよ」とつっこむのも面倒で、大人しくすとんと腰をおろした。
ふたりで並んで座ると、保健室のソファは意外と小さくて、油断すると肩がふれてしまいそう。
きゅう、と身を縮めていると。
「ほのかちゃんがいるから、かもね」
「え?」
「水曜日に保健室に来る理由」
思わず顔を上げて、まじまじとなるちかくんの顔を見つめてしまう。