いちばん星の独占権



絶句する。
言われたことない、そんなこと。


りんくんにもれーちゃんにも言われたことないし、ぜったいちがう、ちがう……! ていうか、だいたいどの辺が……!



「だって、重い荷物もつの好きみたいだし」

「べつに、好きじゃないよ……っ」

「はは。じゃあ、貸しな」

「あっ」




まるでマジックみたいに、持っていた紙束があっさり奪われた。

タネも仕掛けもない、なるちかくんが奪っただけ。

えええ……と恨めしくなるちかくんを見つめると。




「なに、そんなに持ちたかった? やっぱどエムなんじゃん」

「ちがうからっ!……うう」

「こういうのは、二人で終わらせた方が早いだろ」




別に頼んでないのに……。
手伝ってくれるんだ、そうやって、あっさり。


わかるなあ、こんなことするからだよ。
男の子からも女の子もモテモテなの。
好きになっちゃうもん、ふつう。



二人ならんで教室までプリントを運ぶ。

抱えた保健だよりを見て、なるちかくんが口を開いた。




「これ書いたの、ほのかちゃん?」

「そうだよ」





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