いちばん星の独占権




「あのね、わたしの周り、みんなすごいの。れーちゃんは誰が見たってかわいいって思う女の子でしょ? 昔から、困っちゃうくらいモテモテだったんだから。告白に行列ができるんだよ? 可愛くて、愛嬌があって、明るくて……ほら今だって、チア部のマドンナだもん」




マドンナ、って呼ばれるのもわかる。

れーちゃんがいるとぱっと空気が華やぐの。昔からだ。



チアもれーちゃんにすごく合っている。

れーちゃんが応援してくれたら、力強いよね。それくらいのパワーを持っている女の子。




「りんくんだって……不真面目だし、ケンカも多くて困っちゃうけれど、なんてったって運動神経がバツグンなの。体育祭では大活躍だし、いろんな部活から引く手あまたなんだから。剣道が昔から強くって、全国大会にも出ちゃうし!」




剣道をしているときのりんくん、かっこいいんだよ。

ほんとうに、ふたりとも、わたしにはもったいないくらいの自慢の幼なじみだ。




「……それに、なるちかくんも」




ひときわ目を引く金髪、みんなからの人気者、なるちかくん。

思わず目で追いかけてしまうようなオーラを持っていて、でもそれだけじゃない。



昼休みのことをふいに思い出す。

難しい数学の問題だってするっと簡単に解いてしまった。




────あれ、悔しかったなあ……。




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