いちばん星の独占権



琥珀色の瞳には、星屑のようなひかりがいくつも浮かんでいて、まるで小宇宙。




「ぜったい、うそだ」

「ぜったい、ってどうしてわかるの?」

「なるちかくんがウソツキの顔をしてるから」

「はは」





なるちかくんは、はは、って笑うだけ。
だけど、嘘でまちがいない。




そもそも、わたしが保健室にいるのは、べつに水曜日だけじゃないもの。月曜日も火曜日も、木曜日も金曜日も……、わたしは、毎日ここにいる。




ほんとうは、保健委員のみんなで曜日ごとに交代で当番のはずなのに、ユーレイ部員ならぬ、ユーレイ委員ばかりだから、いつのまにか毎日わたしが当番をすることになった。




でも、保健室はきらいじゃないから別にそれはいい。


あつい夏だって、クーラーがしっかり効いているから、ある種避暑地のようだもの、当番をする分には快適だ。





────話を戻すけれど、この通り、わたしは毎日ここにいるのだから、それはなるちかくんが水曜日だけ、保健室を訪れる理由にはならないの。






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