いちばん星の独占権
◇
「それで、ほのかちゃんは何をそんなに悩んでるのかな〜」
「うう、りっちゃん先生……」
べたり、と机に突っ伏せる。
翌週、水曜日、お昼休み。
保健室にはわたしとりっちゃん先生のふたりきり。
ちなみに、常連のなるちかくんは今日はまだ来ていない。
昼休みがはじまって、まだ少ししか経ってないし……。
「あの、悩んでるってわかるんですか……?」
「そりゃあもう。なんてったって心理カウンセラーですからねっ、プロですからっ」
えっへん、とりっちゃん先生が胸を張る。
うーん、やっぱりひとの機敏に敏いひとだ。
そんなにわかりやすく表情とか、態度に出したつもりはないのに。
じっさい、れーちゃんやりんくんには少しも、そんなこと見抜かれなかった。
「悩んでるっていうか、そわそわって感じだねえ」
「うっ」
まさにその通りなの。
観念して、がばっと顔を上げる。
助けを乞うようにりっちゃん先生を見つめて。
「……あのっ。ほかに好きな人がいる男の子と、ふたりで出かけるのって、どういうことなのかな……って」