いちばん星の独占権



「誘われたのっ? あらら、青春ねっ」




楽しげにころころと笑うりっちゃん先生に首をふる。

すると、彼女はきょと、と首をかしげた。




「ほのかちゃんは、断りたかったの? 行きたくない?」

「ちが……くて、断らなきゃだめだったんです、絶対」


「それはどうして?」

「そのひとには、大切に想っているひとがいる、から」




知ってる。
情けをかけてくれたんだ。


わたしには、恋とか無縁だから。
きっとそれを見かねて、哀れんで────。





『一日だけ、俺がほのかちゃんの彼氏になるし』




じゃなきゃ、なるちかくんがあんなこと、言うわけない。

あんな顔するくらい、りっちゃん先生のことが好きなくせに。





「わたし、応援してるんです……っ! 応援してるっていうか、支えたいっていうか……恋をして、ときおり寂しそうにみえる、そのひとのことを、見守りたいって思うの、だから」


「だから、“好きになっちゃだめ”って、自己暗示して、鍵をかけようとしてるんだね」




……!



息をのむ。

図星をさされたような気がして、ぞくっと背中が粟立った。





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