いちばん星の独占権
“ 三上くんと、どういう関係なんですか ”
────そんなこと、聞いて、どうするの。
それに、こんな……探るようなこと、してしまったら、なるちかくんだってきっといい気はしないよね。
「ほのかちゃん?」
「や! やっぱり何でもなくて……っ」
「そう?」
不思議そうに瞬きを繰り返したりっちゃん先生は、視線を腕時計に落として、「わあっ!」と声を上げた。
「ドウシヨウ、今日、昼休みの職員会議に呼ばれてたんだった……」
「え、もう始まってるんじゃ」
りっちゃん先生はがっくりと肩を落とす。
悲壮感を漂わせながら、うるうるとわたしを見つめる。
「ほのかちゃんとのお話があまりにも楽しくて……」
「もうっ、りっちゃん先生、わたしのせいにはしないでくださいよ?」
「そんなあ……」
しょぼんとしたりっちゃん先生は、よろよろと立ち上がって、保健室の扉へと向かっていく。
職員会議に出る気になったみたい。
「遅刻だ……教頭先生に怒られちゃう……」とぶつぶつ嘆いていて、ちょっと心配になってしまう。
けれど、気持ちの切り替えのはやさはさすがりっちゃん先生と言うべきか。
次の瞬間にはくるりとわたしを振り返って元気よくピースサイン。
「行ってくるね!」
「ふふ、頑張ってください」
「ほのかちゃんがそう言ってくれるなら、頑張れるよ!」