いちばん星の独占権
いつもの軽い調子で、こてんと首を傾げた。
りんくんは、ぐいんっと勢いよく目を吊り上げて。
「三上よりはぜってー俺の方が強いし」
「りんたろ、ムキになると弱そーに見えるよ?」
れーちゃんが、面白がるように肩をぷるぷる震わせる。
その反応にさらに目を吊り上げるりんくん。
もう、ほとんど般若だ。
般若というか……仁王像?
と、わりと失礼なことを考えていると。
「うるせー、俺は強くなるんだよ」
「それ昔からずっと言ってんねえ。たしか、“好きな子のことを一番近くで守りたい” とかカッコつけたこと言って────」
「玲奈、それ以上言ったらぶっ殺す」
りんくんの物騒な発言を受けて、「おお怖ー」なんてれーちゃんは肩をすくめている。
でも、知らなかった。
りんくんの『強くなりたい』にはれっきとした理由があったらしい。それも、好きな子────れーちゃんのため、なんて。
たしかにれーちゃんは、すっごく可愛いから守りたくなる気持ちもわかるな。
そういえば、れーちゃんはりんくんのことをどう思っているのかな。聞いたことがないかもしれない。
とりあえず……。
「りんくん、両想いになれるといいね」
「……ほのかが言うか、それ」
「っ、へ?」