炎のボレロ
豹変した夫
美咲は、邦雄に真人の関係を
知られてから、毎日暴力を
振るわれていた。
「あなた、やめて」
「うるさい、
離婚なんか絶対しない。
真人と再婚なんて、
絶対に許さないからな」
そう言うと、美咲の髪を引っ張り、
そしておなかを蹴ったりしていた。
このことが毎日続くため、
美咲は奈津子の家に避難していた。
「おなかの子が危ないわ。
あたしの家に来なさいよ」
そう言った奈津子に、
甘えることにした。
とりあえずの荷物を持って美咲は、
奈津子の家に行くことにした。
邦雄が留守を見計らって…。
「よく、逃げてきたわね。
しばらく、ここにいなさいよ。
夫婦でも、暴力は警察に
通報できるんだからね」
「ありがとう、奈津子」
「真人に、あんたの
居場所を教えているから
会うことができるわ。
これから先のこと、
よく話し合いなさいよ」
しばらくして、真人がやってきた。
美咲が、無事に逃げてきたのか
心配になったのだろう。
息を切らして走ってきたのだ。
「美咲、無事だったんだな」
「真人さん」
「よかった、無事に兄貴のところから
逃げられて。本当に安心したよ」
「真人、あたしの知り合いに
シェルターを管理している責任者がいるわ。
早めに連絡して、美咲を移らせようと思うの。
なるべく、学校から近いところを探して、
そこに移れるように頼んであげる。
もう少しの辛抱だからね」
「ありがとう、奈津子。
おまえにまで、迷惑かけてしまったな」
「何言ってんの。美咲と
おなかの子供を守るためなら、
あたしは何でもするつもりよ」
「本当にありがとう。
感謝するよ、奈津子」
「真人は、美咲とおなかの子供を
守ることを考えて。
いつか、必ず一緒に暮らせる日が来るから」
一方邦雄は、家出した美咲を探していた。
学校の同僚や同級生そして
実家にも探してまわっていた。
しかし、美咲は見つからなかった。
美咲ともう一度やり直したい。
だけど、美咲がそれを拒んで
出て行ったのなら、
真人のところにいるにちがいない。
邦雄は、真人に
激しい嫉妬を感じていた。
弟なのに、憎しみがわく。
一人の女性をめぐって
対立する立場になろうとは、
夢にも思わなかった。
麻子と別れたように、
真人にも美咲と別れてもらう。
それは、美咲に
子供を産ませないことを
含めてのことだった。
そんな衝動が、邦雄に
美咲を探させていたのだ。
ここまでくるとストーカーだ。
邦雄は、毎晩美咲が
行きそうな場所を車で探していた。
しかし、毎日探しても
美咲は見つからなかった。
しかたなく、今夜は
引き上げることにした。
そして、邦雄は自宅に戻った。
部屋のあかりがともっていない
部屋にあかりをつける。
「いったい、どこに行ったんだ?」
邦雄は、ブツブツ独り言を言っていた。
そういえば、奈津子の家には
行っていない。
明日、奈津子に美咲の行方を
聞いてみよう。
奈津子は、美咲の幼なじみだ。
きっと、教えてくれる。
そう思ったら、ホッとしていた。
明日になれば、美咲に会える。
美咲を連れて帰って一緒に暮らせる。
そして、新しく夫婦としてやり直す。
しかし、美咲がそれを拒んできたら
どうしたらいいだろう?
その時は、その時で考えよう。
そして、邦雄が床についたのが
午前0時をまわっていた。
知られてから、毎日暴力を
振るわれていた。
「あなた、やめて」
「うるさい、
離婚なんか絶対しない。
真人と再婚なんて、
絶対に許さないからな」
そう言うと、美咲の髪を引っ張り、
そしておなかを蹴ったりしていた。
このことが毎日続くため、
美咲は奈津子の家に避難していた。
「おなかの子が危ないわ。
あたしの家に来なさいよ」
そう言った奈津子に、
甘えることにした。
とりあえずの荷物を持って美咲は、
奈津子の家に行くことにした。
邦雄が留守を見計らって…。
「よく、逃げてきたわね。
しばらく、ここにいなさいよ。
夫婦でも、暴力は警察に
通報できるんだからね」
「ありがとう、奈津子」
「真人に、あんたの
居場所を教えているから
会うことができるわ。
これから先のこと、
よく話し合いなさいよ」
しばらくして、真人がやってきた。
美咲が、無事に逃げてきたのか
心配になったのだろう。
息を切らして走ってきたのだ。
「美咲、無事だったんだな」
「真人さん」
「よかった、無事に兄貴のところから
逃げられて。本当に安心したよ」
「真人、あたしの知り合いに
シェルターを管理している責任者がいるわ。
早めに連絡して、美咲を移らせようと思うの。
なるべく、学校から近いところを探して、
そこに移れるように頼んであげる。
もう少しの辛抱だからね」
「ありがとう、奈津子。
おまえにまで、迷惑かけてしまったな」
「何言ってんの。美咲と
おなかの子供を守るためなら、
あたしは何でもするつもりよ」
「本当にありがとう。
感謝するよ、奈津子」
「真人は、美咲とおなかの子供を
守ることを考えて。
いつか、必ず一緒に暮らせる日が来るから」
一方邦雄は、家出した美咲を探していた。
学校の同僚や同級生そして
実家にも探してまわっていた。
しかし、美咲は見つからなかった。
美咲ともう一度やり直したい。
だけど、美咲がそれを拒んで
出て行ったのなら、
真人のところにいるにちがいない。
邦雄は、真人に
激しい嫉妬を感じていた。
弟なのに、憎しみがわく。
一人の女性をめぐって
対立する立場になろうとは、
夢にも思わなかった。
麻子と別れたように、
真人にも美咲と別れてもらう。
それは、美咲に
子供を産ませないことを
含めてのことだった。
そんな衝動が、邦雄に
美咲を探させていたのだ。
ここまでくるとストーカーだ。
邦雄は、毎晩美咲が
行きそうな場所を車で探していた。
しかし、毎日探しても
美咲は見つからなかった。
しかたなく、今夜は
引き上げることにした。
そして、邦雄は自宅に戻った。
部屋のあかりがともっていない
部屋にあかりをつける。
「いったい、どこに行ったんだ?」
邦雄は、ブツブツ独り言を言っていた。
そういえば、奈津子の家には
行っていない。
明日、奈津子に美咲の行方を
聞いてみよう。
奈津子は、美咲の幼なじみだ。
きっと、教えてくれる。
そう思ったら、ホッとしていた。
明日になれば、美咲に会える。
美咲を連れて帰って一緒に暮らせる。
そして、新しく夫婦としてやり直す。
しかし、美咲がそれを拒んできたら
どうしたらいいだろう?
その時は、その時で考えよう。
そして、邦雄が床についたのが
午前0時をまわっていた。