思い続けても叶わない
帰りのバスも行きと同じように、縦で男女がパカッと割れてる座り方だった。

 運が良くて帰りもわたしとかずきは近くの席になった。わたしたちは5時間の移動中止まることなく話し続けた。

 とうとうお別れの時には、わたしはかずきのことが好きかもって思っていた。わたしとかずきが住んでるところが遠すぎて、地区は同じだけど車で2.3時間はかかる距離に住んでいる。

 大会でしかかずきに会えないと考えたらすごく帰りたくなかった。

 バスを降りる時に、バイバイって言ったらかずきは笑顔を浮かべて、わたしが持ってたボールを叩いて、バカバイバイって言った。しょーもないことだけどかなりキュンとした。

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