思い続けても叶わない
 そこから、何ヶ月かしてわたしたちは中学3年生になり、中学生最後の地区大会を迎えていた。

 久々に会ったかずきは、前にあったときと同じようにかっこよかった。完全に大会中はかずきを目で追いかけていた。

 わたしのチームは地区ではいつも2位だったため、わたしはなんとなく今回も2位でこの地区大会で引退だろうと思っていた。しかし、わたしのチームはその日すごく調子が良く初めて1位になれた。そして全道大会に出場することになった。

 女子の決勝のあとは男子の決勝のため、かずきのチームが試合になる。もちろん私は、かずきを見ていた。

 かずきのチームも危なげなく優勝した。ものすごくかっこいい試合だった。

 閉会式が終わってそれぞれのチームが解散した。全道大会に出場するのは私のチームとかずきのチームだけ。

 全道大会では、かずきに会えるかわからないから、私は帰りたくなくて、大会中はお互い試合時間ですれ違って全然話せなかったから、絶対に話すまで帰らないって決めていた。

 体育館を探したけど、かずきはいなかった。落ち込んで諦めて帰ろうとしたとき、外にかずきが立っているのを見つけた。わたしは急いで外に出てかずきのところに行った。

 おかしい。この前会った時はわたしより小さいか、ちょっと大きいくらいだったのに、今はわたしよりかなり大きい。

 わたしは162センチだったけど、かずきに
「背伸びた!?何センチ?」
って聞いた。かずきは笑顔で
「結構伸びた!168センチ!」
って答えた。

 背が伸びてさらにかっこよく感じた。まだまだ話したいこともあったけど、時間的にもう限界でバイバイをした。

 全道大会で会えることを信じて夏休み中の部活もがんばった。

 全道大会までは1ヶ月くらいあり、とてつもなく長く感じた。

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