思い続けても叶わない
 やっと全道大会になり、かずきに会えるかもと期待して試合に臨んだ。

 わたしのチームは優勝チームにあっけなく負けてしまい、引退した。

 せっかくだからかずきのチームの試合を見に行こうって話になり、かずきたちの試合会場に向かった。

 かずきたちは準決勝をする直前だった。ギリギリ間に合ったことにすごくほっとした。

 試合が始まってとても苦しい展開の試合をしていた。それでもかずきたちのチームはそれぞれが輝いていた。

 わたしの隣に座っていたチームメイトは前からかずきのことが好きらしい。かずきかっこいいとか好きーって言ってるのにわたしはイラッとした。

 試合はギリギリではあったがかずきたちが勝った。これでかずきのチームは全国大会に進むことが決定した。

 監督は、決勝は見ずに帰ると言っていて、わたしたちは必死に決勝も見せて欲しいとお願いしたが、許可してもらえなかった。

 このままじゃかずきと話せずもう会えないかもしれないと焦った。

 わたしは観覧席から降りてかずきを探した。かずきを見つけたけど忙しそうで、近寄ることはできなかった。

 遠くから見つめていたら、かずきがこっちに気付いてくれた。遠かったから、わたしは口パクで「がんばって」と伝えたら、かずきは意味が分かったのか、うなずいてくれた。

 本当は話したかったけど、時間がなくてそのまま帰ることになってしまった。

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