ユア
ああ、今日は仕事でミスをした。嫌になる。

自分の好きなことを仕事にしたというのに、なかなかうまくいかないものだ。

とぼとぼと帰り道を歩く。

俺の住むマンションは五階だ。
五階の俺の部屋の窓から明かりがもれている。

ユアがいる。

それだけで、少し元気がでてきた。

玄関に入るとユアが出迎える。

「お帰りなさい」

ユアが俺の顔を覗きこむ
大きな目が上目使いで俺を見つめる。

ドキッとして飛び退いた俺に彼女は
「お仕事でなにかありましたか?」

驚いた。

ロボットは表情までよむことができるのか。

最近の技術は目覚ましいものがあるが
ただ、たんに俺が気持ちの切り替えをできてなかっただけかもしれない。

表情がまるわかりになるほどに。

あまり、仕事のことはぐちりたくはないが隠せてないなら仕方ない
「うーん、今日仕事で細かいミスをしてさ…」と、軽く伝えた。

「誠二さんだから、大丈夫ですよ」

俺だから大丈夫ってなんだよ…とは思ったが
ユアの可愛い笑顔を見ていると不思議と「大丈夫」な気がする。
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