一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
そんな風に真っ直ぐで真剣な目で見つめられると、こちらも視線を逸らせない。
『ほんの少しでもいいから、俺を貴方の視界に、、心の隅に入れさせてください。、、お願い、、します。』
そう小さく呟いた彼は、泣きそうな表情をしていて胸が締め付けられる。
そんな顔をして欲しくなくて思わずそんな彼に手を伸ばした。
彼の腕に触れた瞬間、体が大きく揺れて困った表情を浮かべた。
そして耳元に顔を寄せた彼。
『、、次はないって言いましたよね?これは完全に紗江さんが悪いですよ。』
そう言うとそのまま彼の顔が近づいてきて、ゆっくりと唇が重なった。
それが弟のように思っていた年下の彼にキスをされているという事を忘れてしまうほどの甘く優しいキスで直ぐに反応する事が出来なかった。
一度離れた唇が再度重なって、ようやく我に返り彼を突き飛ばした。
「っ暁人くんっ!!なんでっ、、っ、、!?。」
『何故って、そんなの紗江さんが好きだからに決まってます。それに忠告もしてました。だから勝手にキスした事は謝りません。』