一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
全身の熱も顔の赤さも疲れなんかじゃいって本当は分かっている。
私は、彼からのキスにドキドキさせられた。
それなのに彼は余裕そうにしていて、そんな姿にイライラしてしまったのだ。
慣れているような感じがたまらなく嫌だった。
彼女でもないのに、そんな風に思ってしまった自分に戸惑ってしまう。
あれだけ年下は無理だと思っていたのに、、。
私の中で弟の友達である年下の可愛い弟的存在が、どんどん変わってきている。
その急激な感情の変化に私自身がついていけなくて、こうして頭を抱えている。
それに人生の中で恋人にだってこんな風に〝女の子扱い〟された事がない私にとって彼からの甘いセリフや熱い視線はどうしようもない気持ちにさせられる。
ほだされる。
そんな感覚だ。
実際、彼を意識してきてきてこのままじゃ彼を好きになるのも時間の問題な気がする。
でもそんな風に人を好きになってしまっていいのかと思ってしまう。
それで恋人同士になっても相手にも失礼だし、何よりそんな始まり方じゃきっと長く続かない。
そんな事をぼんやり思いながら時計に目をやると、既に日付が変わっていて慌てて目を閉じた。
今は考えても仕方ない。
そう自分に言い聞かせて、無理矢理眠りについたのだった。