一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
『いいえ、そういう固い所も紗江さんのいい所ですよ。だからそんな顔しないで下さい。それに紗江さんは全然失礼なんかありません。こうやって一方的に好意を寄せているのに、無下にせずに優しく接してくれるんですから。』
振り返ると優しい表情を浮かべた彼が立ってた。
「あきっ片瀬くんっ!?」
『昨日は大変お疲れでした。驚いている可愛い紗江さんを朝から見れて、今日も一日頑張れそうです。それじゃあまた。』
そう言って微笑んだ彼はこの前同様にコーヒーをデスクの上に置くと颯爽と隣の部署へと去っていった。
「、、恋は盲目とは言うけど、あそこまでいくと教祖様と信者だわ。」
「いいじゃないっ!凄く羨ましいけどな〜!女としては一度でいいからあんな風に溺愛されてみたいって思うものでしょう?嫌でも意識しちゃう。」
「「、、で!?結局の所どうなの!?!?」」
2人の声がピッタリと重なって、そんな2人はニヤニヤしながら私の言葉を待っている。
でもそれには答えられずにその場から逃げ出す事を選んだ。
「えっと、、朝から急ぎで使う資料を取りに行ってきますっ!」