一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
「えっと、、なんか悪いことしちゃったかな。」
『大変助かりました。営業先に遅れそうだったので。、、紗江さんにはいつも助けてられてばかりです。情けないくらいに。こんなんじゃいつまで経っても追いつけませんね。』
少し寂しそうな表情で俯いてしまった彼に、慌てて声を掛けた。
「そんな事ないよ!!私も沢山助けてもらってるっ!それに追いつくも何も、片瀬くんはうちの花形部署、営業の主任だよ?私なんかとっくの昔に追い越されてるからね?だからもっと自分に自信持って!」
『実際に追い越したのなんか身長くらいです。、、あとは何も。』
「片瀬くんは自分を卑下しすぎだよ。うーん、、どうしたら自信がつくのかなぁ〜。」
『、、そんなの簡単ですよ。』
「え?どんな?」
『紗江さんが俺を好きになってくれたら、きっと自信になると思います。貴方は俺にとって、すべての原動力ですから。』
俯いていた彼が顔を上げて、じっとこちらを見つめる。
その熱い瞳に流されてそうになって咄嗟に視線を逸らすと寂しそうな声が耳に響く。
『流石に今のは卑怯でした。、、すみません、忘れて下さい。それと遅れそうなので営業先に行きます。引き止めてしまってすみませんでした。』