一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
彼女が住むアパートに到着するも、彼女が起きる気配はない。
軽く体を揺すってみるが目を覚まさない。
仕方なく耳元で声を掛ける。
『、、紗江さん、着きましたよ。起きてください。早くベットで横にならないと。それともキツすぎて動けないですか?』
「んっ、、ごめんなさ、、い、、。」
『それなら俺が部屋まで運びます。部屋は何号室ですか?』
「に、、205、、号室です、、、。」
寝ぼけているのか、それともキツすぎて思考が回っていないのか俺相手に敬語で会話している。
もしかして、、誰かと勘違いしている、、、?
例えば敬語を使うような年上の男と、、?
無言で運転席から降りて、その細くて華奢な身体を持ち上げ抱き抱える。
抱き上げられた彼女は起きるかと思いきや首にしがみつき、その身を委ねた。
『っ、、、!』
そのまま首に頬を擦り寄られ、彼女の甘い香りに理性がガタガタと揺れ始める。
急ぎ足で階段を駆け上がり、彼女の部屋の前でもう一度彼女に声を掛けた。
『紗江さん、部屋の前まで着きましたよ。鍵はどこですか?』
「上着の、、内ポケットに入って、、ます、、。」