一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
部署へ向かう途中に真由ちゃんに会って、2人で話ながら部署へ向かう。
弟のように思っている彼の活躍や皆と打ち解けている事は喜ばしい事なのに、素直に喜べない自分がいる。
それが更にモヤモヤとさせるのだ。
「、、なーんで紗江がそんな顔してるんだか。確かに最近は紗江にはあんまり構ってこないもんね。もしかしてヤキモチ焼いてる?」
「そんなんじゃないよ。でも、、、。」
「でも?」
「なんか、、寂しいな。」
ポツリと本音が漏れて慌てて口を押さえたが、時すでに遅しで嬉しそうにしている真由ちゃん。
「何々〜?とうとう彼に絆されちゃった?いいじゃん!!今の言葉も直接片瀬くんに言ってあげなよ!きっと喜ぶよ〜?何たって結婚を前提にって交際を申し込まれてるんだからさ。」
「そ、そういうんじゃなくてねっ、、?!」
「紗江は自分にもっと素直にならないと、幸せにはなれないよー?それにいつまでも待たせてると、彼、、他の所に行っちゃうかもよ?」
その言葉に胸の奥がズキっと痛む。
「、、実はね、送ってもらった日の翌日から片瀬くんがやけに余所余所しいの。何かしちゃったかなって思ってる。だからもう私の事なんて、、きっと何とも思ってないよ。」
「そんなに落ち込むくらいなら聞いてみたら?〝私何かした?〟って。」