一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
「もしかして真由ちゃん残業?私、手伝うよ!」
「いいよいいよ。紗江は片瀬くんを待ち伏せしとかなきゃだし、私も陽介さん待ちだから。私の事は気にせず先に上がりなよ。」
「え、、でも、、。」
「本当に大丈夫だから。それよりも片瀬くん問題を解決してくれた方が私としても助かるよ。紗江は気づいてないみたいだったけど、ここ最近溜め息ばっかりついてるからね?隣で溜め息ばっかりつかれたら気になって仕事に集中できないでしょ?他のみんなも心配してるし。」
「っごめん。そんなに溜め息ばっかりついてた、、?」
「ついてたよ。だからほら!早く行ってきて。こうしてる間にもどっか行っちゃうかもでしょ!!」
そう言って強めに背中を押されて部署を追い出された。
戸惑いながら振り返ると笑った真由ちゃんから〝がんばれ〟と口パクでエールを送られた。
そんな真由ちゃんに力強く頷いてから会社の出入り口へと向かった。
定時を過ぎているロビーは人は疎らで受付嬢も帰っている。
そんな中、出入り口で彼を待った。
仕事の合間に盗み見た営業課のホワイトボードには彼は直帰とはなっていなかった。