一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
暫く黙り込んだ彼は小さく呟く。
『、、すみません。今日はちょっと予定がありまして。』
「あ、、そうなんだ。じ、じゃあ明日は?!休みだよね、、?明日はどうかな?」
これくらいでめげてはいけないと真剣な表情で彼の返事を待っていると俯いていた彼がゆっくりと顔を上げた。
そしてハッキリとした口調で答えた。
『明日もすみません。寧ろ、、今後も紗江さんのアパートにご飯をご馳走してもらいに行く事は出来ません。』
拒絶とも取れるその言葉に我慢していた涙が溢れる。
『っ、、紗江さん!?なんで泣いてっ、、?』
「、、部屋まで運んでもらった翌日から片瀬くんの様子が変だったよね、、?もしかして、、私何かしちゃった、、?ううん、、何か嫌な思いさせちゃったんだよね。だから片瀬くんが、、。」
『違います!したのは俺の方でっ、、!っ取り敢えず今日は駅まで送りますから、、ここで待っていて下さい。』
少し焦ったような顔をしたかと思えば、盛大な溜め息をつかれた。
そんな姿を見て今度こそ完全に私の心が折れた。