一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
「っ、、いい、、。予定があるのにそんな風に無理に送ってもらわなくていいっ!1人で大丈夫だから!」
『こんな雨の中、何言ってるですか?!意固地にならずに待っていて下さい。業務報告を上げたら直ぐに戻りますから。』
「だからいいってば!!」
『どうしたんですか?今日の紗江さん、様子がおかしいですよ。』
「おかしいのは片瀬くんの方でしょ!?!?っもう今後二度と私に関わらないでっ、、!」
彼の言う通り、今の私は冷静じゃない。
普段の自分だったら絶対に口にしないような言葉が出てきてしまう。
『、、紗江さん。』
私の放った心無い言葉に酷く傷ついた表情を浮かべた彼を見て、これ以上ここにいれば何をいい出すか自分でも分からないとその場から逃げ出した。
『紗江さんっ!!!!』
彼の叫び声を背中に雨の中、傘もささずに駅へ向かう。
頬を流れるのが雨なのか涙なのかも分からない。