一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
「うまそー!!」
「俺らの好物ばっかじゃん。」
「もう食べていい?!?!」
空腹で待ちきれないのか、まだご飯を茶碗によそっている状態なのに体を前のめりで箸を握る弟達に仕方なく声を掛ける。
「はいはいどうぞ。野菜もちゃんと食べてなさいよー?」
その言葉に一斉に料理に手を伸ばし、口に入りきれないほど頬張っている。
やはり食べざかりな年齢なだけに、どんどんと料理が減っていく。
それはもう見ていて気持ちいいくらいに。
「うめー!!ねぇーちゃん腕上げた?!」
「唐揚げってもうおかわりないの?俺まだ食い足りないんだけど。」
「お前ら食い過ぎだ。少しは遠慮しろよな!」
そんな様子を唖然と見ている綾ちゃんの前にワンプレートにした料理をそっと置く。
「弟達が騒がしくてごめんね?綾ちゃんの分はちゃんと取ってあるから安心してね。お母さんがしっかり栄養取らないと。亜美ちゃんは私が抱っこしてるからゆっくり食べて?この時期はなかなか落ち着いてご飯食べれてないでしょ。」
「え!?でもそれじゃあお姉さんが、、。」
「ふふ、こういう時くらい甘えていいんだよ?それに亜美ちゃん産まれてから全然抱っこできてないし、、良かったら私に抱っこさせて?」