一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》

亜美ちゃんに向かってそっと手を伸ばすと私の人差し指を小さな手がぎゅっと握って笑ってくれる。

それを見た綾ちゃんが少し泣きそうな表情をしながらも嬉しそうに亜美ちゃんを差し出した。













「、、ありがとうございます、お姉さん。ではお言葉に甘えて頂きます。」





うちの母親はザバザバとした性格な上に、あまり家に居ることが少ない。

だから同居で1番心配な嫁姑問題は起こらないだろう。





でもだからこそ綾ちゃんが一杯一杯になってしまったのかもしれない。

私も弟達を育てる中で、どうしても他所が羨ましく感じる事も多かった。









同級生が買い食いや楽しく放課後デートを楽しんでいる頃、私はというと部活が終わればスーパーに寄って家に帰り、家事をする日々。

嫌々していた訳じゃないし、それを強要されていた訳でもない。





でも学校や部活で気分が落ちてしまう日なんかは、何もかも投げ出したくなる事もあった。


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