一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


モヤモヤから解放されたくて掛けた電話だったがより一層モヤモヤが酷くなった。



布団を被って何も考えないようにと思えば思うほど、彼の放った言葉が何度も何度も頭の中で繰り返しリピートされる。







気づけば朝になっていて、結局一睡もできぬままベッドから起き上がった。


洗面所に行って自分の顔を鏡で見ると酷い隈ができている。










いままでこんな事、一度も無かった。


付き合っていた彼のご家族の事を聞いたことがなくても、浮気をされたと知っても、、別れてしまった日だって涙は流しても一睡も出来なかった事なんて無かった。









初めての経験に自分がどれ程のショックを受けたのか分かる。



人間誰だって話したくない事や秘密にしておきたい事の1つや2つはあるもの。

そう分かっているのに、彼の事になると自分でも知らない貪欲な自分が顔を出す。









彼の全てが知りたいなんて、、子供みたいなわがままな考えが脳裏に浮かぶ。


だってゆくゆくは結婚をするのならば、互いの事を知っておくのは当然で隠し事なんてあってはならない。





互いに何も知らずに結婚しても上手く行く筈がないのだから。


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