一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
episode8
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定時には仕事も終わり帰宅した。
彼が迎えに来てくれるまでにシャワーも済ませて軽く夕飯も済ませた。
朝、ガラス越しで見かけたのを最後にずっと部署へと戻って来なかった彼。
何度か連絡が来ていないか携帯を見たが、取りやめの連絡は無かった。
こんな忙しい日にあまりしたくない話をさせてしまう事に申し訳なさを感じていると、チャイムが鳴った。
慌てて玄関のドアを開けると、少しネクタイの曲がった彼が立っていた。
『遅くなってしまい、すみません。もう出れますか?』
「会食大変お疲れ様です、暁人くん。私はいつでも出れるけど本当に大丈夫、、?今日じゃなくてもいいよ?凄く忙しいそうだったでしょう?話はまた今度にして今日はゆっくりする?」
『心配して下さってありがとうございます。でもワザと忙しくしてたんです。仕事をしていないと気が紛れなくて。では、、行きましょうか?』
「行くって何処へ?此処じゃ駄目?」
『紗江さんの部屋だと落ち着いて話が出来ません。俺の部屋に行きましょう。』
『暁人くんの、、?』
「はい。越してからまだ誰も上げていません。寝に帰るだけの殺風景な部屋ですが、その方が話がしやすいと思います。紗江さんは、、嫌ですか?」
始めての部屋へのお誘いに戸惑いもあるが、その反面嬉しさもあった。
なんだか特別だと言われているようで。