一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
『いいえ〝会わせない〟で合ってますよ。紗江さんには黙っていましたが母親は俺が中学の頃に亡くなっています。父親は、、居るにはいますが血が繋がっているというだけで父親と思った事は一度もありません。』
「っ、、どうして、、、?だってここまで暁人くんを育ててくれた人なんでしょう、、 ?」
感情のない表情で淡々と両親の事を話す彼が知らない人の様に見えてしまう。
戸惑いながら彼を見つめると、遠い目をしていた彼がこちらを向いてくれてホッと胸を撫で下ろした。
しかし直ぐに目を細めて微笑んでから、彼はハッキリとした口調で呟いた。
『俺はあの男の愛人の子供なんですよ。』